ベトナム進出を考える際の留意点(主に労働法の話)

前回の海外進出関連記事の続きで、今回は労働者を現地で雇用する際の留意事項です。

①ベトナムでの解雇
1年以上勤務した労働者を解雇する場合は、勤続期間1年当たり1ヶ月分(最低2ヶ月分)の賃金相当額を支払う義務がある(労働法第2章)。
※自己都合退社の場合は、1年辺り半月分の賃金相当額を支払うのが「一般的習慣」

職務怠慢や懲戒処分などの場合に、雇用者は労働契約を終了させることができますが、多くの場合労働者が異議を唱える→長期間の裁判の末に、多くの場合経営側が敗訴する(この辺りは社会主義国的な部分もあるのでしょうか)。
処分の前段階での証拠や念書などを積み重ねておくことは、昨今の日本と同様重要になってきているようです。

②雇用期間
労働契約は書面での締結を義務付けており、
a.12ヶ月以上36ヶ月以内の雇用期間
b.12ヶ月以内の雇用期間
c.期限を確定しない労働契約
の3種類、a.b.については2期間経過後は、c.永久雇用となるので、直接雇用の場合でも注意する必要があります。

③試用期間
試用期間を設定することが可能で、30日あるいは60日(専門的業務)を超えてはならず、期間中の賃金は常用契約時の70%とする(ただし、最低賃金は保障される)。
※ただし、労働組合と合意後、労働局の認可を受けることで90日等の試用期間を設定することができる場合がある

ちなみに最低賃金は都市部でも100万ドン/月=約3800円となります(桁をまちがえてないか、何度も確認しました)

④労働時間・休日
・労働時間は8時間/日、48時間/週を超えてはならない。
・8時間の労働をする労働者は少なくとも30分以上の休憩を労働時間内に取れる。

⑤有給休暇・特別休暇
・12ヶ月雇用後、翌年より12日間の有給休暇を付与する義務がある(困難な労働、有害な労働は14日または16日)。
・5年勤続毎に1日追加され、最長18日となる。

入社半年で10日付与、入社6年6ヶ月後には最大20日の日本と比べると、やや少ないといえるでしょうか(消化率は高そうですが)。

また、特別休暇について、下記のように最低ラインを定めている点も付与の義務がない日本と異なる点です。
a.労働者の結婚:3日間
b.労働者の子の結婚:1日
c.労働者の両親・夫・妻・子の死亡:3日間

⑥時間外労働の割増賃金
a.平日(含む土曜):基本給/時間×50%以上の割増
b.日曜:基本給/時間の100%以上の割増
c.公休日(祭日):基本給/時間の200%以上の割増
d.夜間手当*:基本給/時間の30%以上の割増
※22〜6時:地方によっては21〜5時

⑦賞与
労働法上に「賞与を与える」との規程あり。
習慣的には1ヶ月分以上とされているそうです。
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ちなみに現地の方に話を聞くと、
「ベトナム人や中国人経営の会社よりも、日本人経営の会社で働きたい」
「ちゃんと法律を守ってくれる」
「きちんとお金を払ってくれる」
と言った声もあり、日本の会社が他よりも厳格に守っている、という側面もあると考えられます。

参考図書「ベトナム進出完全ガイド」会川精司

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